こんにちは。愛媛県の公認ロルファー、
伊藤亮輔です。
元バレーボールブラジル代表監督、ホセ・メネガッティのインタビュー記事を翻訳しました。
「ホセ・オウグスト・メネガッティは世界でもトップ5に入るブラジル代表バレーボールのコーチをしてきました。ホセは1989年にボルダーでマイケル・マーフィーによって教えられたクラスを聴講していました。このインタビューはサンパウロでの別のロルフィングの授業中に行われました。
Q: ホセ、今まであなたは16-17人のエリートアスリートを指導してきましたが、どれくらいの人数がロルフィングを受けましたか?
A: 多分、6人くらいが受けたと思います。
Q: 具体的に彼らの何が変化したか教えてもらえますか?
A: 選手達は体を個別にトレーニングしていたんです。強い腕、しなやかな脚・・・ロルフィングはもっと広い視野で体を見る様に変えてくれたと思います。これによって、バランスの取れた体で力を発揮でき、効率的に体を動かせる様になったと思います。
ロルフィングを受けてから彼らの呼吸が変わったと思います。効率的な呼吸は試合中でも回復を早くしてくれますし、呼吸のパターンをしることによって、体にかかってるストレスにも敏感になったんだと思います。
Q: ロルフィングを受けた選手は心理的、感情的な面でも他の選手と違いますか?
A: 先程行った様に、ロルフィングを受けた選手はストレスを上手くコントロール出来るんです。厳しい試合に陥ったとき、ロルフィングを受けた選手は上手にそれに対処出来てるんです。呼吸だけの力ではありませんが、バランスの取れた体だからこそ出来るのです。
Q: あなたはこの10月にロルフィングのトレーニングを終えますが、自信も選手にロルフィングをしてみたいと思いますか?他の選手も受けてほしいですか?
A: あくまで理想ですが、選手と言わず、全世界の人に受けてほしいですね。ロルフィングを受ける準備だけでもしてほしいです。ロルフィングの方が人に向かって行くのではなく、人がロルフィングにやってくるのです。何人かの選手は僕に施術されるだろうけど、また何人かは他の人にされるかもしれません。選手達には誰を選ぶかという選択をしてほしいのです。
A: コーチとして、選手との関係はロルフィングがどう影響すると思いますか?
Q: 選手にロルフィングをすることによって、その選手の体をもっと広く見る事ができると思います。統合された人というのは自己中心的ではないので、お互いの理解に開放的で、思いやりがあると思います。これによってチームにもっと調和が生まれると思います。コーチと選手の関係は技術を教えるだけの関係ではなく、共通の目標にむかって進んで行く人と人の関係なのです。ロルフィングを受けた選手とは開放的な関係を持つ事ができて、この事によってチームがもっといいパフォーマンスが出来てると思うんです。
Q: ロルフムーブメントトレーニングはどうでしょう?ムーブメントが選手のパフォーマンスに影響を与えていると思いますか?
A: 選手達は体の内側(コア)からくる動きと外側からくる動きを知っておかないといけません、しかしこれを得るには経験しかありません。体の感覚が良い人はこれを学ぶ事が出来、ロルフィングの変化に敏感で、統合されるプロセスも早くなります。ロルフムーブメントはこのプロセスを単純かするので、統合も早くなるのです。もうチームの中では体の感覚を高めるトレーニングを取り入れていて、私はロルフムーブメントを主流にしたやりかたにしようと思っているんです。
Q: 世界的な規模の大会にでる選手達は、ほんの小さな、とるにたらないようなトレーニングの効能も勝利のためには必要ですが、ロルフィングはどれくらい、トップレベルの選手達に有効なのでしょうか?
A: 何度も言いますが、ロルフィングを受けた選手は動きが自由で、効率的なんです。しかし重要な事は、体のなかにもっとスペースが出来て、統合された体のなかで動くことが出来ることです。「統合された」というのは肉体的な意味だけではなく、総合的な感覚や、その人自身も指しているのです。それぞれの選手が統合されると、高いレベルでチーム内での意識が変わるのです。彼らの中に「共同」という意識が芽生え、独りよがりのプレーをしなくなり、無駄な失点も抑えられるのです。ロルフィングの授業中で聞いたセッション5についての言葉が印象的です:「ロルフィングは星が輝く為に体に空間を作るんです。」ロルフィングが選手のパフォーマンスに何パーセント関わっているかは断言出来ませんが試合をするたびに、ロルフィングを受けた選手達はストレスへの対応が上手くなっているのです。
Q: ご存知の通り、オリンピックや世界的な大会ではロルファーを帯同させている種目が多いですが、レクリエーションレベルや一般的なアスリートへの影響はどのような物があるのでしょうか?
A: 人の体は常に動いているのです。動かない状況というのは「死」のみです。動きの調和というのは美と気品なのです。ロルフィングは動きを活き活きとさせ、自分のありかたを発見させ、統合させるのです。これはみなさんが望んでる事だと思うのです。そしてプロでもアマでも関係がありません。みんな動く事を楽しんでいるのです。プロアスリートの目標はアマとは違いますが、動きを楽しむ事は共通しています。
Q: 芸術とスポーツは同じだと言う事ですか?
A: そうですね。
Q: ロルフィングをうけようとしているアスリートに対してなにか思い当たる事はありますか?
A: ロルファーは最新の注意を持ってその人がロルフィングを受ける状態にあるかを見極めます。ロルフィングは体に変化をもたらし、変化を加速させます。全ての人がこれにたいして準備が出来ているわけではないのです。
Q: コーチとしてエリートアスリートと仕事をしてる環境にあり、あなたの環境は他のロルファー達にとって大きな刺激となるでしょう。ロルファーになってもスポーツの世界で働くつもりですか?
A: もう一度いいますが、私は全ての人にロルフィングを受けてもらいたいと思っています。しかしそれは現時点では不可能なのです。今の私の特権は選手達にロルフィングを施術し、その効果を広めることです。実を言うと、ロルフィングを受けた事が無い人にロルフィングのプロセスを説明することは非常に難しいのです。ブラジルのスポーツを統括する人にはまだまだロルフィングが行き届いていないのです。新しい物を世界に広めるのは大変です。しかし私にとってロルフィングは「本物」なんです。困難はやがて打ち破られ、いつかこの素晴らしいプロセスが広がる日がくるでしょう。
このインタビューは1989年に行われました。」
海外では80年代からロルフィングがスポーツに取り入れられていたんですね。文中にもあるように、80年代からすでに動きに重点を置いたトレーニングも行われていたそうです。
もしかしたらサッカーにも応用されたいたのかもしれません。
これを考えたら日本のスポーツはまだまだ遅れているのかもしれません。
世界のスポーツ界にもっとロルフィングを!!!